チェスボードのクイズ解答編

本稿は以前出したクイズの解答編です。クイズで悩みたい人は以下を見ない方がいいと思います。

クイズの復習をすると、8x8のチェスボードに1x3の板21枚をはみ出さず、重なり合わずに敷き詰めたときに空きにできる場所を過不足なく答えてください、というものでした。

 

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答えとしては(3,c)(6,c)(3,f)(6,f)の4箇所が正解です。実際、次のように敷き詰めれば(6,c)に穴が開けられることがわかります。

 

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これを90度ずつ回転することで、(3,c)(3,f)(6,f)にも穴を開けられることがわかります。しかし、他の位置を「空き」にできないことを示さないと、これで全てだとは言うことはできません。

では、他の位置に穴が開けられないことはどう示せばいいのでしょうか。これがこの問題のキモです。

ここでチェスボードを次のように3色に塗り分けてみましょう。

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このように塗り分けたとき、1x3の板をどのように置いても必ず1色づつを覆うことがわかります。

また、上記のように塗り分けると、色ごとのマス目の数は次のようになっています。

 

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つまり、1x3の板を21枚置いたとすると、空きになる場所は必ず薄緑色の場所だということになります(鳩の巣原理)。

さらに、チェスボードは次のように塗り分けることも可能です。

 

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これも同様に考えれば、薄オレンジ色の箇所だけが空きになりうることがわかります。

以上から、空きになりうる場所は薄オレンジ色と薄緑色の交わる箇所しかありません。そのような場所は(3,c)(6,c)(3,f)(6,f)の4箇所だけです。

以上から、この4箇所だけが空きになりうる場所であり、実際に空きにできることが示せました。(必要条件と十分条件って奴ですね)

前半はパズルの問題、後半は数学の問題というオシャレな問題でした。ネットでは見たことがない問題なので紹介してみましたが、いかがでしたか?ではまた。